こんにちは、りぢーです ☺︎
退職後、ハローワークで求職申込と受給資格の決定をされると「雇用保険受給資格者証」を渡されます。
この資格者証に「離職理由」をコード(数字)で印字する欄がありますが、コードによって受給資格や基本手当(失業中に支給される手当)を受けることができる上限の日数(所定給付日数)や給付制限が異なります。
この記事では雇用保険受給資格者証に関して、下記の順でお話しします。
▪ 受給資格の種類
▪ 所定給付日数の上限
▪ 給付制限の有無
▪ 番外編「有期職員の任期満了による退職理由や受給資格はどうなる?」
これから雇用保険の受給手続きをする方や、今後に退職を控えている方は自分がどの離職理由に当てはまるのかをぜひ確認してみてください。
☑雇用保険の受給手続きの流れは
こちらの記事から確認できます。
各コード(番号)が表す離職理由
離職理由コードは雇用保険受給資格者証の12.の枠(上の写真の赤枠)に印字されます。
全部で14種類の離職理由がありますが1から順ではありません。
下記にまとめたので一緒に確認しましょう。
11…➀解雇(50に該当するものを除く)➁雇用期間が3年以上、雇い止め通知なし
12…天災などの理由により事業の継続が不可能となったことによる解雇等
21…雇用期間が3年以上、雇い止め通知あり
22…雇用期間が3年未満、更新明示あり
23…雇用期間が3年未満、更新可能な旨明示あり
11-②・21~23は上記の条件+被保険者が期間の定めである雇用契約の更新を希望したにも関わらず更新されなかったため離職した方が対象
24…契約期間満了による離職(21~23を除く)
25…定年退職(船員の方を除く)など
31…倒産・退職勧奨・事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
32…事業所の移転等に伴う通勤困難による正当な理由のある自己都合退職
33…正当な理由のある自己都合退職(31、32、に該当するものを除く)
40…正当な理由のない自己都合退職
45…正当な理由のない自己都合退職(受給資格決定後、待機満了前に被保険者期間2カ月以上)
50…自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇
55…自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇(受給資格決定後、待機満了前に被保険者期間2カ月以上)
簡単に言うと、
21;雇い止め(同一事業主に3年以上の雇用が条件)
22;雇い止め(同一事業主に3年未満の雇用・更新明示あり、が条件)
23;期間満了(同一事業主に3年未満の雇用・更新可能な旨明示あり、が条件))
24;期間満了(21~23以外)
25;定年(船員の方を除く)・移籍出向
31・32;正当な理由のある自己都合退職(事業主からの働きかけ等)
33;正当な理由のある自己都合退職(31、32以外)
40・45;正当な理由のない自己都合退職
50・55;自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇
受給資格の種類
受給資格には「特定受給資格者」「特定理由離職者」「一般受給資格者」の3種類があります。
どの受給資格の決定となるかで所定給付日数が変わるのため、確認必須な項目になります。(※所定給付日数については次項にて説明あり)
まずは各受給資格について簡単にまとめました。
もし退職日が近く、特定受給資格者または特定理由離職者のどちらかに該当するのか知りたい方は、下記のハローワーク公式HPにて詳細があるので確認してみてくださいね。
特定受給資格者
特定受給資格者に該当するのは下記の理由で離職した方になります。
❑ 「倒産」等による離職
離職理由コードは11・12・31・32になります。
倒産(破産)や事業所の廃止に伴い離職した方や、事業所の移転により通勤困難となったために離職した方が対象です。
❑ 「解雇」等による離職
離職コードは11・12・21・22・31になります。
解雇として認められる離職理由の一部を下記に記します。
▪ 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)による離職
▪ 労働契約時に明示された労働条件が事実と著しく相違していたことによる離職
▪ 賃金の1/3を超える額が支払い期日までに支払われなかったことによる離職(※ただしその後通常に賃金が支払われた事実が3ヵ月以上継続した場合は該当せず)
▪ 賃金が以前支払われていた金額と比較して85%未満に低下した(低下することとなった)ことによる離職(※ただし低下の事実に予見し得なかった場合に限る)
▪ 離職日に属する月の前6ヵ月のうちに3月連続して45時間、1月で100時間または2~6月平均で月80時間を超える時間外労働が行われたり、行政機関から指摘(危険や健康障害の生ずるおそれなど)されたにもかかわらず必要な措置を講じなかったことによる離職
▪上司・同僚からの著しい冷遇・嫌がらせにより離職および事業主がセクシャルハラスメント・マタニティハラスメントの事実を把握しておきながら措置を講じなかったために離職
契約期間満了で離職された方で以下のいずれかに当てはまる場合は特定受給資格者扱いとなります。
B) 期間の定めのある労働契約の締結に際し、契約の更新が明示された場合において、その労働契約が更新されないこととなったために離職
上記に該当するのは離職コードの21・22の方です。
同じ任期のある雇用でも離職コード23は「特定理由離職者」、24は「一般受給資格者」と受給資格が異なるので、該当する方は混乱しないように気をつけてください。
特定理由離職者
特定理由離職者に該当するのは大きく分けて以下の2パターンになります。
まず1つめからお話しします。
期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した方(労働者が当該更新を希望したにも関わらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る)
該当する離職コードは23。
労働契約の更新または延長の明示はあるが更新または延長をする確約まではない場合で、なおかつ労働者本人が契約期間満了日までに更新か延長の申し出をしたにもかかわらず、叶わず離職した場合が該当します。
つまり労働者本人が更新か延長の意志を示す必要があるということです。
労働契約時に当初から契約更新がないことを明示されている場合は該当しません。
2つめは以下のa~fを理由に離職した方が対象になります。
a)体力不足・心身の障害・疾病・負傷などにより、業務を続けることが不可能または困難となった
b)妊娠・出産・育児などにより離職し受給期間延長措置(※)を受けた
c)親族の疾病・負傷等の看病により退職を余儀なくされたなど、家庭の事情が急変した
d)配偶者または扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったため、同居をするために事業所への通勤が不可能または困難となった
e)結婚に伴う住所変更または事業主の命による転勤または出向に伴う別居の回避などにより通勤不可能または困難となった
f)事業主が労働条件を変更したことにより採用条件と実際の労働条件が相違することとなった
離職コードは33。
(受給期間に加えることができるのは最大3年間まで)
一般受給資格者
主に自己都合による退職や定年退職をされた方は「一般受給資格者」となります。
特定受給資格者と特定理由離職者に該当しない方は全て一般受給資格者に分類されると考えて良いでしょう。
特定受給資格者の項目でもお話ししましたが離職コード21~23を除いた契約期間満了による離職は一般受給資格者扱いになります。
所定給付日数の上限
所定給付日数とは基本手当(失業中に支給される手当)を受けることができる上限の日数のことをいいます。
離職の日における年齢、被保険者として雇用されていた期間および原則として直近の離職理由などにより、以下に分かれています。
②倒産・解雇・一定要件を満たす雇止めで離職された方
③障がい者等の就職が困難な方(本人からの申し出が必要)
所定の給付日数は下記のとおりです。
(横軸は被保険者であった期間、縦軸は離職時の年齢を示しています)
①契約期間満了・定年退職・事故の意思で離職した方(②・③以外の全ての離職者)
②倒産・解雇・一定要件を満たす雇止めで離職された方
③障がい者等の就職が困難な方(本人からの申し出が必要)
(⚠②に該当する理由で離職された方のみに適用される)
この表は2020年9月の時点なので今後変更になる可能性がありますが、退職をされたときのことを考えて「この期間までは給付を受けられる」ということを知っておくと万が一のときに役に立つかもしれません。
給付制限の有無
受給資格決定日から失業の状態にあった7日間が経過するまで、雇用保険の給付を受けることができません。
この期間を待機といい、待機満了後にすぐ支給が始まる場合(給付制限ナシ)と3ヵ月の給付制限を経てようやく支給が受けられる場合の2パターンがあります。
この給付制限があるかないかは離職理由によって決まります。
離職理由が以下のどちらかに該当する場合、3ヵ月の給付制限があります。
②自己責任による重大な理由により解雇された場合
給付制限があるのは離職コード40・45・50・55の方。
ただし離職コードが45と55の方の給付制限は3ヵ月ではなく1ヵ月と異なります。
それ以外の方は待機期間が満了になれば給付制限ナシで支給を受けることができます。
番外編「有期職員が任期満了になったら、離職理由や受給資格はどうなる?」
ここまでたくさんお話ししましたが、最近意外と多いのが有期職員とした働き方です。
女性の多い医療職では産休の代替要員として1年間または1年未満で求人募集をする事業所も少なくありません。
では有期職員が任期を全うしたら離職コードや受給資格はどうなるのでしょうか。
例を挙げて以下で解説します。
産休要因によって労働契約を締結した有期職員が契約を延長できたたために最大5年の勤務を経て退職したとします。
この場合雇用保険の受給申請をすると、資格者証の離職理由コードは24「契約期間満了による離職(21~23を除く)」に該当します。
したがって受給資格は一般受給資格者、所定給付日数は①の90日、給付制限はナシということになります。
雇用保険の支給を受ける場合、被保険者として就労した期間が深くかかわってくることから産休要因や派遣社員のような1年契約だと退職後に支給を受けられる条件に達しておらず、支給対象外となることもあります。
また有期職員として任期満了を迎えても特定受給資格者・特定理由離職者になれるわけではないこと、所定給付日数も自己都合退職と同じ分類になるということを頭の片隅にでも残しておきましょう。
参考書類
雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり
おわりに
いかがでしたか?
【離職理由】の重要さがわかりましたでしょうか。
退職後の給付にかかわることなのできちんと理解しておきたいもの。
あなたの疑問が少しでも解消できたら嬉しいです。
それではおわります。りぢーでした。
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